情報誌「TOMIC(とおみっく)」

48号 2013年10月発行(1/4)

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エネルギーが支える明日の社会のために TOMIC 2013年 第48号 九州エネルギー問題懇話会 PWR型原子力発電の特性と福島第一事故以降の原子力発電の安全への取組み 加圧水型軽水炉(PWR型)原子力発電プラントメーカー「三菱重工業株式会社」に聞く

三菱重工業株式会社
エネルギー・環境ドメイン原子力事業部 安全高度化対策推進室
室長
 加藤 顕彦
(かとう あきひこ)

  平成25年7月8日に、原子力発電所の安全性を判断する新たな規制基準が施行されました。この規制基準では、東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓などを踏まえ、地震や津波など大規模な自然災害への対策強化、炉心損傷や格納容器損傷の防止、放射性物質の拡散抑制など幅広い安全対策が求められています。
  現在、この規制基準に基づき、九州電力の川内、玄海原子力発電所を始め、四国電力の伊方原子力発電所や北海道電力の泊原子力発電所などが再稼動を目指し、安全審査の申請手続きを行っています。これらの原子力発電所の多くは、福島第一原子力発電所の沸騰水型軽水炉(BWR型)とは異なる加圧水型軽水炉(PWR型)と呼ばれる原子炉を採用しています。
今回は、このPWR型原子力発電プラントの製造メーカーである三菱重工業(株)エネルギー・環境ドメイン原子力事業部の加藤室長に、PWR型原子力発電の特性や福島第一事故以降の原子力発電の安全への取組みなどについてお話を伺いました。


Q1.福島第一原子力発電所事故後の御社の対応についてお聞かせください。

A.福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電に携わってきた企業として、極めて残念な出来事でした。事実を真摯に受け止め、今後このような事故を二度と起こさないよう、原子力発電所の安全性向上に向けて、たゆまぬ努力を続けていく責任があると考えています。

当社では、平成23年3月11日の事故当日に600人規模の対策本部を設置し、また、同年8月には中長期的な対応を見据え、安全高度化対策推進室を設けるとともに、情報収集や対応策の検討を進めるなど、電力会社への支援を行っています。

一方、福島第一の安定化にも寄与したいと考えており、これまでも廃液を貯蔵するメガフロートの提供などを行ってきました。また、現在は廃炉措置に向けた作業ロボットを開発、投入等の検討も行っています。

 
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