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Vol.17 地球温暖化と私たちの暮らし

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カーボンニュートラルの実現に向けて

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、政府は、地球温暖化への対応を経済成長の制約やコストではなく「成長への機会」と捉え、積極的に地球温暖化対策を行うことで産業構造や社会経済を変革して次の大きな成長に繋げていく「グリーン成長戦略」を策定し、積極的な投資と革新的なイノベーションの促進を図ることにしています。これらの動きとあわせて、「第6次エネルギー基本計画」の検討も進んでいますが、課題もたくさんあると考えます。

私たち九州環境管理協会では、さまざまな環境影響調査(環境アセスメント)を行っていますが、近年は再生可能エネルギー(以下「再エネ」)、とりわけ太陽光発電についての調査が増えています。環境アセスメントは、大規模な開発を行う場合に、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ調査・予測・評価を行い、環境保全の観点からよりよい計画を作り上げていくという制度です。評価にあたっては、大気環境、水環境、土壌環境、生態系に加えて、眺望景観といった調査も行います。最近は全国的に、森林を伐採した急斜面へ太陽光パネルを設置するなど自然災害を誘発するおそれのあるケースや、自然破壊、景観悪化の問題などで地元から意見等を受けるケースも見受けられます。

地球温暖化対策として有効でも、災害リスクを増大させたり、自然や景観を大きく損なったりするものは地域の人々の賛同を得られません。私たちは、地球温暖化のリスクを正しく知ったうえで、自然との調和を図りながら、個人や社会ができることを考える必要があると思います。

天日美薫氏

 
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