九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.14 SDGs(持続可能な開発目標)とエネルギー環境教育(2/4)

 
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Vol.14 SDGs(持続可能な開発目標)とエネルギー環境教育

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エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

エネルギーに関するSDGsの目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」については、再生可能エネルギー(以下、再エネ)や省エネルギーに注目が集まりがちですが、その本質はすべての人が質の高いエネルギーを手に入れられるようになることです。2019年現在の世界人口は約77億人ですが、2050年には100億人になると予想されており、エネルギーの消費量は確実に増えていきます。けれども、どんなエネルギーにも一長一短があり、増え続ける消費量をどうやってまかなうのかは大きな問題です。持続可能な開発のためにも再エネを増やしていくことはとても大切なことですが、太陽光や風力は、気象条件などにより大きく発電出力が変動します。水力は安定的なエネルギーですが、どこでも開発できるわけではありません。できるだけ使用を減らしたい化石燃料ですが、変動する需要に合わせて出力を増減できる火力発電のような電源も必要です。福島の事故でネガティブな印象が強い原子力ですが、発電時にCO2を出さないゼロエミッション電源であり、燃料調達についても安定的な電源です。

エネルギー自給率が低く、資源の多くを海外からの輸入に頼っている日本では、1つのエネルギーに頼ることはリスクが高く、それぞれの電源の特性を正しく理解し、電源をうまく組み合わせていくエネルギーミックスの考え方が大切です。

今の日本にできることは、より安全で効率性の高いエネルギー技術を開発していくこと。日本の技術開発力を生かし、安全性の高い原子力技術の開発や環境負荷が低い化石燃料技術、蓄電技術などのクリーンエネルギー技術をインフラシステムとして世界に提供し、貢献していくことが求められています。

最小需要日(5月の晴天日等)の需給イメージ

 
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