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講師コラム「エネルギーの明日」

エネルギー・環境問題の専門家に、毎回、様々な角度からエネルギーの視野を広げるお話を伺います。

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Vol.14 SDGs(持続可能な開発目標)とエネルギー環境教育

長崎大学 教育学部 教授
藤本 登 氏

持続可能でより良い世界を目指した、2030年までに達成すべき目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」。近年、多くのところで目にしますが、教育分野でも取り組みが進んでおり、その考え方は新しい学習指導要領にもつながっています。今回はSDGsと教育との関わりについて、長崎大学教育学部教授の藤本登氏にお話を伺いました。

藤本 登 氏

世界中の全ての人の豊かさを目指すSDGs

「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals」の略称で、地球上で暮らす全ての人々が豊かで満たされた生活を享受することができることを目指して、2015年9月の国連サミットで採択された国際社会共通の目標です。「持続可能な開発」については、これまでにも1992年にブラジル・リオの「地球サミット」で採択された行動計画「アジェンダ21」に見るように、1990年代からすでに言われてきました。2000年に開催された「ミレニアム・サミット」において、SDGsの前身となる「MGDs(ミレニアム開発目標)」が採択され、2015年までの目標が定められましたが「極度の貧困と飢餓の撲滅」など先進国による開発途上国を支援する内容が中心でした。今回のSDGsでは、エネルギーや働きがい、経済成長、気候変動など2030年に向けた新たな課題も包括し、より広範な「17のゴール」と、より具体的な「169のターゲット」が設定され、先進国と開発途上国が一丸となって達成すべき目標となっています。

SDGs以前の取り組みは、コンセプトは良くても実際の教育現場には浸透していないなど課題がありましたが、SDGsは社会への認知度においても成功していると思います。すでに国民の約25%が認識しているというデータもあり、SDGsのアイコンの標記やピンバッジをつけている人も多く見かけます。ピンバッジを見て「あれは何だろう?」と思ってもらうだけでも意義があると思います。

※「持続可能な開発」:将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発のことで、この達成のためには、経済成長、社会的包摂、環境保護という3つの要素の調和が不可欠となります。

SDGsの「17の目標」

 
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