九州エネルギー問題懇話会トップページ講師コラム「エネルギーの明日」Vol.6 医療技術に活用される放射線の可能性(4/4)

 
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Vol.6 医療技術に活用される放射線の可能性

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目に見えない放射線を“正しく怖がる”ために

医療分野以外でも、放射線は様々なことに活用されています。その代表的な例に工業製品の非破壊検査があります。放射線の透過作用を利用して、外から見えない機械の不良部分を感知するのです。またゴムタイヤに放射線を当てることで、分子の構造を変化させ強度を増したり、ジャガイモの毒素となる芽の部分に放射線を当てて発芽を防ぐことなどにも利用されています(図8)

私たちの身の回りで活用されている放射線は被ばく量をコントロールされており、必要以上に怖がる必要はありません。むしろ正しい知識を持たずに怖がることの方が問題だと考えています。放射線は目にも見えず、匂いもなく、実際によく分からない存在です。実感できないだけに不安を持つ人も多くいるでしょう。

医療分野に代表されるように、放射線の利用は私たちの暮らしに必要不可欠になってきました。だからこそ、放射線は定量的にどこまでであれば安全なのか、どの程度被ばくすれば本当に危ないのかを知り、確実にコントロールして利用する必要があります。そのためのデータも保存されており、データに基づく法律も整備されています。放射線をきちんと認識し、“正しく怖がる”ための尺度をもつことが重要ではないでしょうか(図9)。そのためには誰もが放射線に対して興味を持ち、正しい知識を持つことが必要だと考えています。

放射線のいろいろな利用

放射線を一度に受けたときの症状

 
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